3本目
ポパイ(1983年7月15日/ファミコン)— 開発秘話・当時の小ネタ全部載せ
💪 マリオの"原点"って、実はこのゲームなの知ってた? しかもローンチ3本で唯一、今どのゲーム機でも遊べない——
🎮 ポパイ(1983年7月15日/FC) を覚えてる?
『ポパイ』とは? 発売日・スペック早見
| 発売日 | 1983年7月15日 |
|---|---|
| 機種 | ファミコン |
| 発売元 | 任天堂 |
『ポパイ』の開発秘話——真相はこうだった
ファミコン本体と同じ日に発売されたローンチ3本(『ドンキーコング』『ドンキーコングJR.』『ポパイ』)の最後の1本。オリーブが上から落とすハートを、ブルータスから逃げ回りながら全部拾い集める”鬼ごっこアクション”です。主役のポパイは1929年生まれ、アメリカの新聞漫画『シンブル・シアター』出身——ファミコン最初期を支えたのは、実は50歳を超えた大ベテランでした。
"マリオの原点"の答え
・『ドンキーコング』(1981年)の企画は、もともとポパイのキャラクターを使ったゲームとして動いていました。ブルートにさらわれたオリーブをポパイが助けに行く——この構図が実現せず、自社オリジナルキャラとして生まれ変わったのが、ドンキーコングと後のマリオです。2026年には米国の裁判関連の公開資料から、初期のポパイ企画を示す文書の存在も報じられました ・「版権が取れなかったから」と一言で語られがちですが、当時の証言には幅があり、細かい経緯には諸説あります。確かなのは、企画が形を変えてドンキーコングになったこと、そして任天堂がその翌1982年に”本物の”アーケード版『ポパイ』を完成させたこと ・そして1983年7月15日、『ポパイ』と『ドンキーコング』の家庭用版が同じファミコンのローンチに並びました。マリオを生むきっかけになったキャラクターと、そのマリオのデビュー作が同じ日に発売される——できすぎた巡り合わせです
どんなゲーム?
・ステージは3面構成。1面はオリーブの落とすハート、2面は音符、3面はアルファベットを集めるとクリア。3面ではアルファベットを拾うたびにハシゴが伸びていきます ・追ってくる大男は、アニメでは「ブルート」ですが、ファミコン版の取扱説明書では「ブルータス」表記。パンチも効かない無敵の存在で、触れたらアウトです ・ポパイといえばのほうれん草を取ると一定時間マッチョ化し、ブルータスをぶっ飛ばせる攻守逆転タイム。「逃げる時間」と「反撃する時間」の切り替えがこのゲームの肝です ・右上の海の魔女シーハッグが落とす骸骨、シーハッグのペットのハゲタカ・バーナードなどお邪魔キャラも登場。水に落ちたハートや音符は放っておくと壊れてミスになります
ファミコン版は、ここが違う
・アーケード版(1982年)の売りは、アニメを思わせる大きなキャラクター表現。ファミコン版ではキャラが一回り小さくなっており、「ゲーセンで惚れた迫力と違う…」という当時の子どもの回想も残っています ・一方でゲーム内容は3面の骨格をそのまま維持。同日の『ドンキーコング』が1面削られたのとは対照的に、演出の簡略化だけで本体を残した移植でした ・ちなみにアーケード版を作ったのは宮本茂さんと竹田玄洋さん(「社長が訊く」で証言)。ただしファミコン版への移植は別チームの仕事で、担当者の名前は今も確認できていません
「美しいフィニッシュ」——1本のソフトを遊び尽くした子どもたち
・ドラクエなどを手がけたゲームクリエイター・藤澤仁さんが、少年時代の『ポパイ』の思い出を書き残しています。ファミコンを持っていた藤澤さんの家は毎日5〜6人の友達のたまり場になり、唯一のカセットだった『ポパイ』をみんなで交代で遊び続けた——そして数週間で、さすがに飽きます ・ところが誰かが発明します。面クリアでリザルト画面に切り替わる瞬間、ポパイを”パンチ姿勢のまま”静止させることを競う遊び。名付けて「美しいフィニッシュ」。さらに成功したらキャラメルコーンを一粒食べてよい、というごほうびルールを付けたところ、色あせていた『ポパイ』への熱狂が完全復活したそうです ・プログラムに隠された裏技ではなく、子どもたちが自分で遊びを発明してゲームを延命させた話。ソフト1本が貴重品だった1983年らしい、いい話です
『ポパイ』の当時の小ネタ8連発
- いちばん有名なのは通称「ブルートを2度倒す」。ほうれん草でブルータスを一度ぶっ飛ばした後、急いで再出現位置に先回りし、効果が切れる寸前からパンチを連打——タイミングが合うと、再出現した直後のブルータスにパンチが入り、画面の端を小刻みに震えながら昇天していくという異常挙動が起きますシェア
- 連射コントローラーを使った永久パターンの報告も。「ジョイボールだと上手くいくのに他の連射機だとダメだった」という当時の証言が今もコメント欄に残っていますシェア
- スコアは999990点を超えると0に戻る、当時らしいカンスト仕様ですシェア
- 定価は「4,500円」と紹介されることが多いのですが、発売当時の記録では3,800円。翌1984年の任天堂ソフト価格改定で4,500円の銀箱版が再販され、両方の数字が資料に残ることになりました。初期の小箱版はコレクター品ですシェア
- 容量は192キロビット(約24KB)。プログラム16KB+グラフィック8KBという、ファミコン最初期らしいシンプルな構成ですシェア
- 同じ1983年には教育ソフト『ポパイの英語遊び』(11月22日・型式HVC-EN)も発売。ポパイはファミコン教育シリーズの第一弾でもありましたシェア
- 2021年にSwitch/PS4で出た3Dゲーム『Popeye』は海外メーカーによる別作品で、しかも現在は配信終了。ポパイのゲームはなかなか現代に定着しませんシェア
- ヒロインのオリーブは、実はポパイより先輩。ポパイが1929年に登場した漫画『シンブル・シアター』は、オリーブたちを主役に約10年続いていた連載で、ポパイは途中参加の脇役から人気で主役の座を奪ったキャラクターでしたシェア
『ポパイ』はいま遊べる?(Switch Online・中古相場)
ここが本作最大の”事件”です。ローンチ3本のうち『ドンキーコング』『ドンキーコングJR.』はSwitch Onlineで遊べるのに、『ポパイ』だけがどの現行サービスにもありません(Switch Online・アーケードアーカイブス・プロジェクトEGGいずれも未収録。2026年8月時点)。ポパイのキャラクター権は今も米国のキング・フィーチャーズ社が管理しており——未配信との関係は公式には説明されていませんが——ファミコンの歴史的なローンチタイトルが1本だけ空白のまま、という珍しい状況が続いています。遊ぶなら実機と中古カセットだけが頼りです。
マリオ誕生のきっかけを作り、ファミコンの初日を支え、そして今はどこでも遊べない——ローンチ3本の中でいちばん数奇な運命の1本でした。遊んだ人も、初めて知った人も、コメントで思い出を教えてもらえたら嬉しいです💪
情報元・参考資料
- 任天堂公式サイト(ファミコン年表)
- 任天堂「社長が訊く」・宮本茂インタビュー(ニンテンドークラシックミニ発売記念)
- Nintendo DREAM WEB
- 藤澤仁『悪魔のゲーム─ファミリーコンピューターの思い出』(note)
- NesCartDB
- Game*Spark(Universal対Nintendo公開資料の報道)
- King Features Syndicate
- BEEP(価格改定解説)
- ゲーム攻略記
- YouTube: ニノゲー『【祝ファミコン40th】ポパイ【ゆっくり実況】』・hamaribrosx『【ファミコン】ポパイの裏技 永久パターン』・飛竜『ヒリュウコネクション』『ファミコン版 ポパイ 裏技検証 ほぼ無敵!』
