第111号
アーガス(1986年4月17日/ファミコン)— 開発秘話・当時の小ネタ全部載せ
水色カセットのあの会社、1円で売られて引き受け先まで消えていた
それでも『アーガス』の権利は生きている。理由は最後に。
🎮 アーガス(1986年04月17日 / ファミコン) を覚えてる?
『アーガス』とは? 発売日・スペック早見
| 発売日 | 1986年4月17日 |
|---|---|
| 機種 | ファミコン |
| ジャンル | シューティング |
| 発売元 | ジャレコ |
| 型式 | JF-07 |
対空と対地を撃ち分けて敵要塞メガ・アーガスに挑む縦スクロールシューティング。面クリアごとに着陸ミニゲームつき。
『アーガス』の開発秘話——真相はこうだった
2009年1月15日、ジャレコのゲーム子会社の全株式は本当に1円で譲渡されていた(貸付金7億円を引き継ぐ条件つき)。引き受けたゲームヤロウも2014年に破産して消えた。それでも権利は、ジャレコの代表作『シティコネクション』の名前をそのまま社名にした会社”シティコネクション”(代表・吉川延宏)が2013〜2014年に全部引き継ぎ、いまも公式に管理している。『アーガス』収録の新コレクション『JALECO ARCADE COLLECTION Vol.2』も発表済み――つまり、いまも現役。
1986年4月17日発売、ジャレコの縦スクロールシューティング『アーガス』。定価4,900円。カセットの色は水色――当時、この水色にひとめぼれして最初のファミコンソフトに選んだ人も多かったみたい。対空と対地を撃ち分けて敵要塞メガ・アーガスを目指す、真上から見下ろす縦シューティングで、自機の目の前まで敵が飛び込んできて弾をばらまく容赦のなさから「零距離弾幕」とまで呼ばれた。
『アーガス』の裏技・当時の小ネタ11連発
- 「アーガス」は自機の名前じゃない。自機の名前は「ウォル・アーグ」。ゲームタイトルの「アーガス」は、実は倒すべき敵の要塞側の名前だった。
- その『アーガス』というタイトル、ゲームをアイウエオ順(50音順)に並べたとき一覧のいちばん最初に来るよう、狙って付けられたという(AC版スタッフ・坂本慎一さんの証言)。実際、当時の攻略本のファミコンソフト一覧では長年いちばん先頭に載っていた。
- FC版は全18面あるのに、実はエンディングが無い。18面をクリアすると、まさかの13面に戻ってループし続ける仕様。
- 裏技(諸説あり):切り替えスイッチ付きジョイスティックを2P側に挿し、SELECTを押しながら1P側のスタートで始めると無敵になる、という話も。機器によって手順に差があるとも言われている。
- 裏技(諸説あり):7面の地上パネルをB→P→L→+の順番で取ると、258,000点のボーナスが入るという伝承も。
- アーケード版の、敵の数・弾の数・強さが全部2倍という凶悪難易度。実は完成後にジャレコの社長が「敵の数も弾の数も強さも全部2倍にして」と指示した結果だった(企画・吉田晄浩さんの証言)。
- その吉田晄浩さんは、のちにテクノスジャパンで『熱血高校ドッジボール部』を担当。今度は真逆に「難易度は半分でもいい」という思想で臨み、"くにおくん"シリーズ像の源流のひとつを作った。
- アーケード版『アーガス』は、ゲーム雑誌『ゲーメスト』創刊号の表紙を飾った1本。
- 「ジャレコ」という社名は「JApan LEisure COmpany」の略。ファミコン初期のサードパーティー6社の一角だった。あの有名な三本波線ロゴは1988年導入(デザイン・田中一光)で、『アーガス』発売の1986年当時はまだ存在していなかった。
- ファミマガ読者投票「ゲーム通信簿」は15.04点/30点満点(1991年オールカタログ掲載値)。
- FC版『アーガス』を実際に作ったのは、箱にもクレジットにも名前が出ない京都の会社「トーセ」。開発元のNMKのスタッフですら、完成するまで実物を見たことがなかったそうで、発売後には社内で「これはひどい」と言われたとか――そう証言したのは、のちに『ぼくのなつやすみ』を手がける綾部和さん。トーセは2,000本以上のゲームを"影"で作り続けてきた、名前を出さない主義の会社。
編集部のひとこと
いいか、自機のショットは面ごとに変わるんだ。奇数面はまっすぐ単発、偶数面は壁で跳ね返る3WAYだ。
地上のパネルは端っこだけ撃つと半分ずつ壊せて、2回取れるんだよ。得点も2倍、楽勝でしょ♪
地面に機体そっくりの影が出たら、自分の影をそーっと重ねてみて。無敵のロボットに変形するんだよ。えへへ
『アーガス』はいま遊べる?(Switch Online・中古相場)
- Switch Onlineへの収録:なし
- アーケードアーカイブス:あり(AC版)838円
- ニンテンドークラシックミニ ファミコン:収録なし
- Project EGG(Windows・FC版そのもの):550円+月額550円
- G-MODEアーカイブス+『アーガスDX』(2003年携帯アプリ版の復刻):Switch・800円
- PS『ジャレココレクション Vol.1』(2003)にFC版収録
- 『JALECO ARCADE COLLECTION Vol.2』(AC版収録・Switch/PS5/Steam)も発表済み・日付価格未定
情報元・参考資料
- ゲーム文化保存研究所(坂本慎一・吉田晄浩インタビュー)
- ファミ通.com ジャレコ展リポート
- 4Gamer 2009年当時報道
- 電ファミニコゲーマー 吉川延宏インタビュー
- シティコネクション公式
- 綾部和氏の証言(岩崎啓眞ブログ・X)
- ゲームカタログ@Wiki
- Project EGG ほか