第127号
魔界村(1986年6月13日/ファミコン)— 開発秘話・当時の小ネタ全部載せ
1面の赤い悪魔に、日本中が負けた。あの敵の顔と名前には、モデルになった本物の人がいる——
🎮 魔界村(1986年6月13日/ファミコン)を覚えてる?
『魔界村』とは? 発売日・スペック早見
| 発売日 | 1986年6月13日 |
|---|---|
| 機種 | ファミコン |
| ジャンル | 横スクロールアクション |
| 発売元 | カプコン |
| 型式 | CAP-MK |
| 定価 | 5,500円(当時) |
騎士アーサーがさらわれた姫を救う全7面。1回当たると鎧が飛んでパンツ一丁、2回目で骨になる
- 騎士アーサーがさらわれた姫を救いに魔界へ。1回当たると鎧が飛んでパンツ一丁、2回目で骨になってミス。
- 任天堂公式「ファミコン国民投票」第11回『クリアできなかった』といえば?で2位(得票率6.8%)。1位は『たけしの挑戦状』。
- ファミコン版の売上は164万本。ファミコン全ソフトの中でも11位の大ヒットだった。
そして15個目。このゲーム、実はゲームセンター版を作ったカプコンではなく、別の会社が移植している。あの難しさの正体は、そこにあった。
『魔界村』の開発秘話——真相はこうだった
1面の中盤で飛んできて、日本中の子どもをあきらめさせた赤い悪魔「レッドアリーマー」。その顔と名前のモデルは誰だったのか。 答えは、当時のカプコンのプログラマー・有馬俊夫(ありま・としお)さん。先にモンスターの絵だけができていて名前が決まらず、「有馬さんに似ている」と開発部内で呼ばれているうちに、そのまま正式名「レッドアリーマー」になった。ゲームデザインを担当した藤原得郎さん本人が、2003年の雑誌インタビューでそう語っている。 有馬さんはコナミ時代からの藤原さん・岡本吉起さんの同僚で、一緒にカプコンへ移った人物。開発当時は「いつも怒ってばかりだった」と紹介されることもある。 そして2021年、ご本人がXにこう投稿した。「本日還暦のアイテムをゲットし レッドアリーマになりました」。いまは日本各地を旅しながら動物の写真を撮り、コンテストで賞も取っている。1面で何百回もやられた赤い悪魔の”中の人”は、還暦を迎えて自分からレッドアリーマーになっていた。
『魔界村』の裏技・当時の小ネタ15連発
- 定価は5,500円。1メガビットROMの「大容量ROM」を謳い文句にして発売された。
- 1周目のラスボスを倒すと「THIS ROOM IS AN ILLUSION AND IS A TRAP DEVISUT BY SATAN. GO AHEAD DAUNTLESSLY! MAKE RAPID PROGRES!」という英文(綴りも原文ママ)が出て1面に戻される。2周目をクリアして初めて本当のエンディング。
- コンティニューは裏技扱い。ゲームオーバー後のタイトル画面で、右を押しながらBを3回→スタート。海外のNES版はメニューに最初から「CONTINUE」がある。
- ステージセレクトもある。右+B3回→上→B3回→左→B3回→下→B3回→スタート。7面(ラスボスの部屋)を選ぶと、通常は不可能な「槍での決戦」ができる。
- 2周クリア後のエンディング文が流れている間に A→B→上→下→A→B→左→右 と押すと、隠しスタッフクレジットが出る。さらに2周クリア後にコンティニュー技を使うと3周目に入れる。
- 1面の偽の弥七(ニセの風車)を残り30秒ちょうどで取ると、残り時間が255分になるタイマーバグがある。
- 残機9人の状態で1UPを取ってステージクリアすると、画面が真っ暗になってフリーズする。
- ラスボス専用武器の十字架は、ゲームセンター版だと敵がなかなか落とさず詰むことがあった。ファミコン版では6面に必ず出る場所が作られている。
- 海外版『Ghosts 'n Goblins』は宗教上の配慮で十字架が「盾」に差し替えられた。ただしNES版の盾には、はっきり十字架の紋章が残っている。
- プリンセスの名前は初代では「ギネヴィア」、大魔王は「ゴンディアス」。『大魔界村』以降で「プリンプリン」「アスタロト」に改名された。
- 同じカプコンの『魔界島 七つの島大冒険』には魔界村から逃げた魔物が登場し、レッドアリーマーは「デビル・ザ・レッドアリーマー」としてラスボスに出世している。
- ゲームデザインの藤原得郎さんはコナミ『プーヤン』出身。1983年に岡本吉起さんらとカプコンへ移り、魔界村は『戦場の狼』と同時進行で作られた。のちに『バイオハザード』を発案した人でもある。
- 藤原さんは魔界村の世界観を遊園地のお化け屋敷からヒントを得たと語っている。
- ゲームセンター版は稼働後に「簡単すぎる」という声を受け、藤原さんが基板のディップスイッチで難易度を一段上げた。当時のプレイヤーはその状態で遊んでいた。
- ファミコン版の移植はカプコンではなく下請けのマイクロニクス。ボスに「効かない武器」(ドラゴンに槍、サタンに斧など)や、取るとカエルにされる偽のキング像、時間が減る偽の弥七が追加され、ゲーセン版より難しくなった。しかも1秒に20コマしか動いていない(普通のファミコンは60コマ)。海外の技術者がプログラムを解析して、ゲーム全体が20コマ前提で組まれていることを突き止めている。
編集部のひとこと
うち、これ持ってるよ。でもラスボス倒したら『この部屋は幻だ』って1面に戻されるんだ…2周しないと終わらないんだよ
これ、ゲームセンターのとは別の会社が作ったんですって。ボスに効かない武器や、カエルにされる偽の像まで足して。もう!
わしが下手なんじゃないぞ。このゲーム、1秒に20コマしか動いとらん。普通は60コマだ。カクカクの正体はこれだ!
『魔界村』はいま遊べる?(Switch Online・中古相場)
- Nintendo Switch Online(ファミコン版)/カプコンアーケードスタジアム(ゲームセンター版)。2021年には藤原得郎さんがディレクターを務めた『帰ってきた 魔界村』も出ている。
『魔界村』の都市伝説・噂(裏取りなし枠)
情報元・参考資料
- Wikipedia
- ゲームカタログ@Wiki
- CONTINUE Vol.12(藤原得郎インタビュー・英訳)
- 有馬俊夫さんのX投稿
- 任天堂「ファミコン国民投票」
- GAME Watch(40周年記事)
- ファミ通.com
- Displaced Gamers「Behind the Code」
- YouTube「ゲーム夜話」第139回
- YouTube「【FC】魔界村【エンディングまで】」(プレイ映像)