88本目
ダウ・ボーイ
1985年12月11日・ファミコン|開発秘話・当時の小ネタ全部載せ
弟と2人で遊べた、初めての“戦争ゲーム”。
その“相棒”の正体を、当時の子どもは誰も知らなかった。
🎮 ダウ・ボーイ(1985年12月11日・ファミコン)、遊んだ人いる?
目次
『ダウ・ボーイ』とは? 発売日・スペック早見
| 発売日 | 1985年12月11日 |
|---|---|
| 機種 | ファミコン |
| 発売元 | ケムコ |
“ファミコン史上、最低クラスの点”をつけられた一本の、そのワケ。
まず、煽りの答え
2人プレイの“相棒”は、Ⅱコンで「誘導ミサイル」を操作する係。ところがこのミサイル、敵だけじゃなく“味方の自分(Ⅰコン)”まで巻き込んで倒せてしまう。つまり“協力”のはずが、いつでも“妨害・撃ち合い”に化ける——味方が最大の敵になる、斬新すぎる非対称プレイでした。(※対戦専用として設計されたかは不明。仕様として「味方も撃てる」のは説明書の記述から確定)
3たくクイズの答え
「B・泳ぐこと」。特殊部隊のはずが泳げず、川に落ちると残機があっても即ミス。
『ダウ・ボーイ』の当時の小ネタ10連発
- “ダウボーイ”は、第一次世界大戦ごろのアメリカ歩兵の俗称(語源は諸説)。シェア
- エンディングは2種類。人質の救出に成功すると米国歌「星条旗」、失敗するとバッドエンド。シェア
- 敵は銃で倒すと100点、体当たりだと50点。体当たりのほうが簡単なのに、点は安い。シェア
- かけたハシゴは、主人公が死んでもその場に残る(説明書に書かれた救済仕様)。シェア
- ROM容量が資料で食い違う一本。当時資料は192Kbit、実物のROM解析だと40KB(=320Kbit)。シェア
- 原作はアメリカSynapse社のコモドール64版(1984)。ファミコン版は横2画面ぶんにスクロール拡張し、ミサイルまわりを「GAME-A/GAME-B/2-PLAY」の3モードに整理。シェア
- 潜入して人質を助ける…“メタルギア”(1987)より前。ただし元祖ではない(1981年『Castle Wolfenstein』が先行)。シェア
- 発売元ケムコ=コトブキシステム。記念すべき参入“第一弾”がこの洋ゲー移植。会社はいまもKEMCO(コトブキソリューション)としてRPGを出し続けている。シェア
- いま公式配信はゼロ。遊ぶなら中古カセット(裸で¥500〜、完品で¥1,500〜が目安・2026年7月時点)。シェア
- 【最強】発売から数年後、ファミマガ読者投票「ゲーム通信簿」で30点満点中“12.88点”。ファミコンROMカセット部門で最低クラスの評価に。(※1991年の総集編での集計で、発売当時のレビューではありません)シェア
『ダウ・ボーイ』はどんなゲーム? 目的とルール
主人公の兵士を操り、敵陣の奥にある捕虜収容所へ潜入して、捕らわれた重要人物を助け出すのが目的だ。道中では塹壕や有刺鉄線、戦車といった戦場の仕掛けが行く手をふさぐ。攻撃手段はマシンガンと、敵にぶつかって倒す体当たりの2つになる。
このゲームで一番の敵は時間かもしれない。作戦の制限はゲーム内の24時間で、英語版Wikipediaによれば実時間ではおよそ5分にあたる。面をクリアするたびに残り時間が差し引かれていくので、後の面ほど余裕がなくなる。時間内に面を抜けられなければ、残機が残っていてもゲームオーバーだ。
全5面で、5面をクリアすると1面に戻って繰り返す。撃たれる、地雷を踏む、戦車にひかれる、川に落ちるといったことでミスになる。モードはふつうのGAME A、誘導ミサイルが絶えず主人公を狙ってくる高難度のGAME B、そのミサイルを2人目が操る2-PLAYの3つがある。
『ダウ・ボーイ』のアイテムとステージの攻略
道中で拾うアイテムが攻略の鍵を握る。もっとも大事なのが爆破用のTNTで、これが無いと先へ進めない場面がある。ヒューズはTNTと組み合わせて使う導火線、クリッパーは有刺鉄線を切る道具だ。地雷は戦車用だが、敵兵にも効く。各面はカギを拾ってマップの右端から抜け出せばクリアになる。
面ごとに仕掛けが変わる。2面は川を進む敵艦が砲撃してくる面で、灯台をTNTで爆破すると橋の代わりになる。3面では並んだドラム缶のどれかにカギが隠されており、爆破して探す必要がある。4面は壁を越えるためにハシゴを使う面で、ハシゴはBボタンで回収できる。
最後の5面では、見張り台のサーチライトに見つかると敵兵が呼び寄せられる。捕虜収容所を爆破すれば重要人物を救出でき、救出に成功すると5000点が入る。3面と4面に出てくる戦車はTNTか地雷で倒せるので、手持ちの爆薬は使いどころを考えて残しておきたい。
原作はアメリカのパソコンゲーム 開発スタッフ・音楽・評価の中身
原作のゲームデザインを手がけたのはケン・コーテス。ファミコン版ではグラフィックをすえだきみなり、音楽と効果音を増野宏之が担当した。主人公の見た目も移植で変わっており、コモドール64版は第一次世界大戦の米兵、ファミコン版はそれより後の時代の米兵らしい姿で描かれている。
BGMには実在の古い軍歌が使われている。オープニングと1面は1917年の「君は今軍隊に居る」、2面は南北戦争期の1863年に生まれた「ジョニーが凱旋するとき」だ。厳しい評価を受けたのはファミコン版だけではなく、原作のコモドール64版もイギリスの専門誌Zzap!64で100点満点中18点と辛口に採点されている。
ファミコン版の12.88点も、項目ごとに見ると差がある。5点満点の6項目のうち、いちばん高かったのはオリジナリティの2.60点で、キャラクタ2.29点、音楽2.17点が続く。逆に低かったのは操作性2.03点、熱中度1.94点、お買得度1.85点だった。遊びの発想は買われつつ、手触りで損をした1本と読める。
『ダウ・ボーイ』はいま遊べる?(Switch Online・中古相場)
Switch Online・アケアカ・クラシックミニ、いずれも未収録。そもそもアーケード版が存在しない(原作は海外パソコン)ので、アケアカに来ることもない。実機・互換機・エミュでどうぞ。
『ダウ・ボーイ』の都市伝説・噂(裏取りなし枠)
情報元・参考資料
- 新山にーや
- ぷろぐれっそふぃるむ「ゆっくり解説実況コレクション#89」
- レトロゲームZT ほか
- Wikipedia『ダウボーイ』
- Wikipedia『Dough Boy (video game)』(英語版)
調べるときに参照したページ
