120本目
スパイvsスパイ
1986年4月26日・ファミコン|開発秘話・当時の小ネタ全部載せ
このゲームの設定、実はとんでもない。奪い合っているお宝は“実在するゲーム機の新型”。作った会社の名前がギリギリアウト
🎮 スパイvsスパイ(1986年4月26日/ファミコン)を覚えてる?
目次
『スパイvsスパイ』とは? 発売日・スペック早見
| 発売日 | 1986年4月26日 |
|---|---|
| 機種 | ファミコン |
| ジャンル | アクション |
| 発売元 | ケムコ |
| 型式 | KSC-SP |
| 定価 | 4,900円(当時) |
屋敷に隠された設計図・鍵・パスポート・ドル袋を先に集めて脱出したほうが勝ち。上下2分割の画面でワナを仕掛け合う。全8レベル。
- アイテムは最初1つしか持てない。まず「カバン」を見つけないと、そもそも話が始まらない。
- 全部そろえずに出口へ行くと、蹴っ飛ばされて追い返される。
- 1人用のCPUは、自分で仕掛けた罠に自分でかかって自滅することがある。
そして12個目。説明書には2人のスパイのプロフィールが載っている。
身長も体重も、そして「特技」まで書いてあるのだ。
『スパイvsスパイ』の開発秘話——真相はこうだった
ファミコン版の説明書には、日本版だけのオリジナル設定がついている。ゲーム界の大元締め「ジンテンドウ」が新型のディスクシステムの開発に成功した——そこへライバル企業がスパイを送り込む、というのが物語の発端だ。屋敷の中で奪い合っている「設計図」は、その新型機の設計図である。
送り込んだ側の社名も書いてある。白いスパイ・ヘッケルの雇い主は「ケムコ」、黒いスパイ・ジャッケルの雇い主は「トムコ」。ケムコは、このソフトを出した会社そのものだ。
本物のファミコン ディスクシステムの発売は1986年2月21日。本作の発売は同年4月26日で、わずか2か月後だった。
『スパイvsスパイ』の当時の小ネタ12連発
- 罠は4種類。ドアの上の硫酸バケツ、家具に仕込むバネ、ダイナマイト、そして部屋ごと吹き飛ばす時限爆弾。シェア
- 罠を消す道具も用意されている。傘立ての傘で硫酸をよけ、工具入れのペンチでバネを、防火用具入れの白いバケツでダイナマイトを解除する。シェア
- 罠は何個でも仕掛けられる。ただしカバンや解除道具を持っている間は仕掛けられない。シェア
- アイテムは初期状態だと1つしか持てない。まず「カバン」を見つけるのが最初の仕事になる。シェア
- 全部そろえずに出口へ行くと、蹴っ飛ばされて追い返される。シェア
- 復活地点の部屋には、白黒どちらにも必ず傘立てが置いてある。硫酸バケツのハメ対策だと言われている。シェア
- 1人用のCPUは、自分で仕掛けた罠に自分でかかって自滅することがある。シェア
- BGMはタイトルと本編の2曲だけ。原作パソコン版の曲はNick Scarimが書き、ファミコン版ではケムコの増野宏之が編曲し、タイトル曲だけを新しく書き下ろした。シェア
- 階段は上りと下りで効果音を分けてある。シェア
- パソコン版にあったワイヤー仕掛けの銃の罠は、ファミコン版では消えている。代わりにナイフと警棒、殴り合い中のジャンプ回避が入った。シェア
- コトブキシステムは1984年に広島県呉市で設立。翌1985年に任天堂とライセンシー契約を結んでファミコンに参入した。ケムコはそのゲームブランドの名前だ。シェア
- 説明書のプロフィールがやたら細かい。白のヘッケルは身長120cm・体重25kg、性格は沈着冷静でネアカ、特技は「ファミコン」と「射撃ゲーム」。黒のジャッケルは身長118cm・体重30kg、性格はハードボイルド、特技は「早寝早起き」。シェア
『スパイvsスパイ』のルールと遊び方
画面は上下2つに分かれ、上が白のスパイ、下が黒のスパイの視点になる。舞台はドアでつながった部屋が迷路のように続く屋敷だ。家具を調べて設計図・鍵・パスポート・お金の4つを探し出してカバンに収め、出口から先に脱出したほうが勝ちになる。
相手を倒しても勝ちにはならない。倒された側は持ち時間を削られて復活するだけで、持ち時間が0になったときに初めて負けが決まる。レベルが上がるほど部屋の数が増え、屋敷は広く複雑になっていく。2人で対戦するのが本来の遊び方だが、1人でコンピューター相手にも遊べる。
ワナは仕掛けた本人が触れても作動する。どこに何を仕掛けたかを覚えておかないと、自分のワナで自分が吹き飛ぶことになる。ワナを外す道具も一度に1つしか持てないので、相手がどのワナを好んで使うかを見ながら、持ち歩く道具を選ぶのが駆け引きになる。
ファミコン版では時限爆弾の扱いが変わり、仕掛けられても2秒以内に部屋から出れば助かるようになった。同じ部屋で鉢合わせすると殴り合いが始まり、ナイフや警棒、ジャンプでの回避といったファミコン版で加わった要素がものを言う。倒されたときのペナルティも原作より重くなっている。
原作はアメリカの漫画とパソコンゲーム
元になったのは、アメリカの雑誌『MAD』の名物漫画『Spy vs. Spy』だ。キューバ出身の漫画家アントニオ・プロヒアスが描き、1961年1月号で始まった。台詞のない短い漫画で、白と黒のそっくりなスパイがワナを仕掛け合い、勝ったり負けたりをくり返す。東西冷戦の皮肉としても読まれた。プロヒアスは1987年までこの漫画を描き続けた。
ゲーム版は1984年11月、アメリカのファースト・スター・ソフトウェアからコモドール64とAtari 8ビット機向けに出た。作ったのはマイク・ライデルで、2人の視点を上下に並べる分割画面はこの時点からの仕組みだ。
その後Apple IIやZX Spectrumなどにも広がり、日本ではファミコン版のほか、セガ・マークIII版やPC-8801・X1版も出ている。マークIII版のプログラムには、のちに『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』で知られる中裕司が関わった。PC-8801・X1版の開発は、のちに『ぷよぷよ』を生むコンパイルが担当している。
ファミコン版のその後と続編
ファミコン版は1988年10月に北米でNES版として発売され、英語版Wikipediaによると北米で30万本を売った。ヨーロッパでは1990年に発売され、1992年には北米でゲームボーイ版も出た。1999年にはファミコン版をもとにマップの種類を大きく増やしたゲームボーイカラー版もケムコから出た。
シリーズはパソコンで続き、南の島が舞台の第2作『Spy vs. Spy II: The Island Caper』(日本題『南国指令!!スパイvsスパイ』)、南極が舞台の第3作『Spy vs. Spy III: Arctic Antics』が作られた。第3作は日本では発売されていない。2005年には3Dアクションとして生まれ変わった同名作がPS2とXbox向けに出ている。
編集部のひとこと
画面が上下に分かれてるから、相手の動きは丸見えなんだよね。だからワナを仕掛けたフリ、なんて駆け引きも生まれちゃう
何度ぶちのめしても勝ちにはならない。減るのは相手の持ち時間30秒だけだ。勝つのはブツを集めて先に逃げたほうだぞ
いいか、タイトル画面の一番上をよく見てろよ。OFFICAL…「公式」って英語のつづり、Iが1個足りねぇんだ
『スパイvsスパイ』はいま遊べる?(Switch Online・中古相場)
2026年8月時点、Switch Onlineにも現行ストアにも配信を確認できなかった。シリーズは権利関係が複雑と言われ、復刻がほとんど無い。遊ぶなら実機+中古カセットが現実的だ。
『スパイvsスパイ』の都市伝説・噂(裏取りなし枠)
情報元・参考資料
- ゲームカタログ@Wiki
- Wikipedia
- Studio POPPO(説明書転載)
- 思い出のファミコン
- NES Cart Database
- 任天堂公式サイト
- Wikipedia英語版『Spy vs. Spy (1984 video game)』
- Wikipedia英語版『Spy vs. Spy』
調べるときに参照したページ
- Wikipedia日本語版「スパイvsスパイ (コンピュータゲーム)」
- 英語版Wikipedia「Spy vs. Spy (1984 video game)」
- 英語版Wikipedia「Spy vs. Spy」
