105本目
バルトロン
1986年3月19日・ファミコン|開発秘話・当時の小ネタ全部載せ
組んだ会社は消えたのに、たった一本だけ、令和のいま遊べる。
消えたはずの一本を、令和に連れ戻したのは——
🎮 バルトロン(1986年3月19日 / ファミコン)、知ってた?
目次
『バルトロン』とは? 発売日・スペック早見
| 発売日 | 1986年3月19日 |
|---|---|
| 機種 | ファミコン |
| 発売元 | 東映動画 |
- 自機の名前と、ソフトの名前は"別もの"だった
- 宇宙が舞台なのに、画面には「むかしむかし」の文字
- 説明書には、進むほど"戻される"ワープの記述
そして10個目。天下の大手アニメ会社が、ファミコンに残した本数は——数えるほどしかなかった。
『バルトロン』の開発秘話——真相はこうだった
バルトロンを東映動画と共同開発したのは「有限会社ショウエイ・システム」。この会社、1999年に倒産している。権利を持つ会社が消えると、ふつうは”二度と出せない”。 ところが2018年、状況が動いた。著作権法の「裁定制度」——権利者と連絡が取れない作品について、文化庁長官が権利者の代わりに利用を許可する仕組み——を使って、同社の『北斗の拳』がニンテンドークラシックミニ(ジャンプ50周年版)に収録され、現代機によみがえった。組んだ相手は消えても、その仕事は一本、令和に戻ってきた、というわけ。 そして作ったほうの東映動画は、2026年7月31日に創立70周年。TVアニメ247作品、劇場278作品を世に送り出してきた会社の、いちばん最初のゲームが、この『バルトロン』だった。
3たくクイズの答え
宇宙のど真ん中に、なぜか動物。救出すると自機が1機ふえる。その正体は【B・コアラ】。宇宙にコアラという字面のミスマッチが、なぜか記憶に残る。
『バルトロン』の裏技・当時の小ネタ10連発
- Bボタン+上で出す「フラッシュボンバー」は、画面の敵を一掃する必殺技。ただしエネルギーを大きく使う(ふだんの攻撃はAボタンの正面ショット+斜め下へのミサイル)。シェア
- 説明書によると、ワープは前に進むだけとは限らない。「逆戻り」して、来た道を戻されることもある——つまり"当たりハズレのあるワープ"だった。シェア
- カセットの型番は「TDF-BT」。棚の奥から発掘したら、ここで見分けがつく。シェア
- 開発はショウエイシステムとベアーズ。東映動画にとってはこれが初めてのゲーム作品だったシェア
- Bボタンを押しながら進行方向と逆に入れると、自機の向きがくるりと反転する。前にも後ろにも進めるのはこの操作のおかげシェア
- 自機が画面の前半分にいるとスクロールが速く、後ろ半分にいると遅くなる。位置取りで進む速さが変わる仕組みシェア
- エネルギーは時間とともに減り、フラッシュボンバーやワープを使うと大きく減る。空になるとミスシェア
- アイテムの発射台と、そこから出るカプセルは、自分の弾が当たると壊れてしまう。うかつに撃てないシェア
- 全512エリアを進むとBGMが変わってボス「バルトロン」が登場。倒すと地形の色が変わった2周目が始まるシェア
- 天下の東映動画が、ファミコンに出したゲームは——調べてみると、ぜんぶで15本きり。日本アニメの総本山にしては、意外なほど少ない。シェア
『バルトロン』はどんなゲーム? 操作と画面の見かた
舞台は西暦2999年。地球によく似た惑星スターレニオンが、ビスマルク帝国の攻撃にさらされている。プレイヤーが操る自機はジストリアスで、説明書では銀河系最速のスターシップと紹介されている。1人用のほか、2人で交互に遊ぶモードもある。
ジストリアスは右へ進むのが基本だが、十字キーの左右で加速と減速を切り替えられる。右へ進んでいるときは右で加速、左で減速だ。反転して左へ戻ることもできるが、スタート地点より左には行けない。Aボタンで正面へのビームと斜め下への爆弾を撃つ。
画面上段の中央にはレーダーがあり、自機の左右それぞれ1画面ぶんの敵を映す。自機は白、空中の敵は赤、地上の敵は黄色で表示されるので、次に何が来るかを先読みできる。上段左側はエネルギーゲージで、これが白い位置まで溜まるとWARP、赤い位置まで溜まるとFLASHの文字が右側に点き、それぞれ使えるようになる。
敵キャラクターの特徴と攻略のヒント
説明書には20種類近い敵が載っていて、それぞれに癖がある。偵察機のガウズは、こちらと高さがそろうと斜めや反対方向へ逃げていく。ただし撃ち落とさずに見逃すと、より強い敵が出てくる。逃げ足が速くても、追いかけて仕留めておく価値がある相手だ。
ビー・ロウは敵のレーダー役で、自分からは攻撃してこない。撃破すると敵の攻撃が弱まるため、見つけたら優先して狙いたい。上下に陣取ってビームで通路をふさぐシールドは、どちらか1つを壊せばビームが消え、2つ目も壊せばボーナス点が入る。
跳ね返る敵のフーイチは2種類あり、赤と黄色は撃ち込むと高得点だが自機めがけて跳ね返ってくる。白と灰色は反対方向へ跳ねていく。モノリスには通り抜けられるものとそうでないものがある。A・B・Cの3体が合体して現れるスタック・ダンガードは、1体ずつ順番に爆発していく。自機が通り過ぎた後で現れるバサミのように、背後から来る敵もいるので、反転機能とレーダーを合わせて使うのが生き残るコツだ。
補給の仕組みも覚えておきたい。味方の地上基地から打ち上げられる青い物資を取るとエネルギーが回復し、黄色い物資を取るとバリアが付いて一定時間無敵になる。ただしバリア中でも壁や地面にぶつかればミスだ。説明書は、物資を取りに戻るときに反転機能を使うよう勧めている。ワープとフラッシュボンバーはエネルギーを大きく削るので、ここぞという場面まで温存するのが基本になる。
東映動画の最初のゲームとしての『バルトロン』
説明書の裏表紙には、発売元の東映動画と並んで、共同開発の有限会社ショウエイ・システムの名前と所在地が記されている。アニメ会社が自社キャラクターを使わず、オリジナルの横スクロールシューティングで家庭用ゲームに参入したことになる。
当時の評価は厳しめだった。『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による通信簿では、30点満点中13.19点。項目別では操作性の2.41が最も高く、お買得度の2.02が最も低い。同誌の1991年の付録では、グラディウス型のゲームの1本として分類されている。
『バルトロン』はいま遊べる?(Switch Online・中古相場)
Switch Online・アーケードアーカイブス・クラシックミニFC、いずれも収録・配信はなし。遊ぶなら実機か互換機、エミュ環境で、というのが2026年8月時点の状況。中古相場は裸で数百円〜、完品で1300〜3000円ほど。
『バルトロン』の都市伝説・噂(裏取りなし枠)
情報元・参考資料
- CEDEC2022(4Gamer 掲載レポート)
- 東映アニメーション公式サイト(会社案内)
- Internet Archive 収録『バルトロン』取扱説明書(1986)
- Wikipedia『バルトロン』
- Wikipedia英語版『Baltron』
調べるときに参照したページ
- Wikipedia日本語版「バルトロン」
- 英語版Wikipedia「Baltron」
- Internet Archive『Baltron [TDF-BT](Famicom)(JP) -Manual(600DPI) : Toei Douga…』
- Internet Archive『Baltron [TDF-BT](FC)(JP) -Manual(600DPI) djvu.txt』
- Arcade-History『Baltron (1986) - Nintendo Famicom cart. by Toei Animation …』
