16本目
ファミリーベーシック
1984年6月21日・ファミコン|開発秘話・当時の小ネタ全部載せ
ファミコンで初めて"セーブ"ができたソフト。ドラクエでも森田将棋でもなく——ゲームですらなかった。
🎮 ファミリーベーシック(1984年6月21日/FC) を覚えてる?
目次
『ファミリーベーシック』とは? 発売日・スペック早見
| 発売日 | 1984年6月21日 |
|---|---|
| 機種 | ファミコン |
| 発売元 | 任天堂 |
- 専用キーボードをつないで、ファミコンでプログラミングができた
- マリオを自分の命令で動かせる、夢のような教材だった
- 定価14,800円。当時のパソコンに比べれば破格の入門機
そして12個目。この"ゲームじゃないソフト"が、ファミコン史にひっそりと残した「初」の記録がある。
『ファミリーベーシック』の開発秘話——真相はこうだった
ファミコン初のバッテリーバックアップ(電池によるセーブ機能)を搭載したのは、『森田将棋』でも『未来神話ジャーヴァス』でもなく、このファミリーベーシックでした。方式がまた豪快で、カートリッジの裏側に乾電池2本を直接セットし、表側のバックアップスイッチをON——電池が切れれば、打ち込んだプログラムはあとかたもなく消えます。書いたプログラムを、乾電池2本で保持する仕組みでした。ゲームの進行保存や、セーブ全体の起源を示すものではありません🔋
『ファミリーベーシック』の当時の小ネタ12連発
- ROMカセット・専用キーボード・プログラミング教本のセットで定価14,800円。数十万円が当たり前だった当時のパソコンに比べれば、桁違いに安い入門機だったシェア
- 開発は任天堂・シャープ・ハドソンの3社共同。キーボードなどのハードをシャープが、BASIC言語をハドソンが担当したシェア
- 搭載されたBASIC言語の名前は「NS-Hu BASIC」。Nintendo・Sharp・Hudsonの頭文字だシェア
- 起動するとコンピュータが話しかけてくる対話式。質問に答えてモードを選ぶシェア
- 挨拶をすると、ちょっと意外な隠し機能——占いモードが起動する。対応範囲はなんと明治元年から"昭和999年"(西暦2924年)までシェア
- GAME BASICモードには、マリオ、『ドンキーコング』のレディ、カメさん・カニさん・ハエさんなどのスプライトがプリセット済み。命令ひとつで画面を歩かせられたシェア
- 説明書には「マリオの色を変えてルイージを作る」パレット変更の例まで載っていたシェア
- 使えるメモリはわずか1,982バイト。この限られた容量にプログラムを収める必要があったシェア
- ほかに8桁までの電卓モード、文章を残すメッセージボード、演奏ができるミュージックボードを搭載シェア
- 別売の「データレコーダ」を使えばカセットテープに保存が可能。この機能は市販ゲームの自作ステージやセーブデータの保存ツールとしても活躍したシェア
- 翌1985年には、メモリを倍増した改良版『ファミリーベーシックV3』が発売されたシェア
- そして極めつけ。プログラム保持用の乾電池2本によるバックアップは、ファミコンソフト初の"電池セーブ"。ただし守るのは書いたプログラムで、ゲームの進行保存とは別物だシェア
『ファミリーベーシック』の収録モードとできること
中心になるのはGAME BASICモードだ。ここからプログラムを書くBASICの画面と、背景を作るBG GRAPHICの画面に入れる。BG GRAPHICでは、用意されたタイル状の絵を並べてゲームの背景を組み立てる。タイルの中には『ドンキーコング』『ドンキーコングJR.』『マリオブラザーズ』で見覚えのある絵柄も含まれていた。
初代の取扱説明書には、そのまま打ち込んで遊べるサンプルゲームが7本載っていた。KNIGHTやUFOといった作品で、まずは書き写して動かし、少しずつ書き換えて仕組みを覚える教材になっていた。英語版Wikipediaによると、教本の中の流行歌を演奏させるプログラムの章は、のちにマリオの音楽で知られる近藤浩治が手がけたという。
キーボードのアルファベットはパソコンと同じQWERTY配列だが、カナは一般的なJIS配列ではなく、五十音順に並ぶ独自の配列だった。キーボードはファミコン本体前面の拡張端子につなぎ、カセットとセットで使う。
NS-Hu BASICでできたこと、できなかったこと
扱える数は整数だけで、範囲はマイナス32768からプラス32767まで。割り算の小数点以下は切り捨てになる。文字列は31文字まで、点を1つずつ打つような描画もできない。キャラクターの絵はROMに固定されていて書き換えられないため、用意された部品を組み合わせて画面を作ることになる。
そのかわり、キャラクターを決まった方向に動かすMOVEのような独自の命令があり、まっすぐ動くだけの処理なら短い行数で書けた。メモリの中身を直接読み書きするPEEKやPOKE、機械語を呼び出すCALLもあった。説明書に詳しく書かれていない使い方は雑誌で紹介され、『マイコンBASICマガジン』には読者のプログラムが載った。
弱点もあった。カートリッジは背が高く重心も高いうえ、電池ケースやバックアップスイッチの位置も手伝って、接触が悪くなるとデータが消えやすかった。せっかく打ち込んだプログラムを守るには、データレコーダでテープに残しておくのが確実だった。
改良版『ファミリーベーシックV3』と、その後に残したもの
1985年2月21日に出たV3は、カセット単体で発売された。外装は初代と違うワインレッドだ。使えるメモリは4,086バイトに増え、CRASHやAUTO、ON ERROR GOTOといった命令が加わった。一方で対話画面や電卓などのおまけ機能はなくなり、ゲーム作りに絞った作りになっている。サンプルゲームも4本内蔵された。
シリーズの売上は約40万台。北米では、ファミリーベーシックを元にしたキーボード付きの機械『Advanced Video System』が試作されたが、発売には至らず、海外で正式に出ることはなかった。『大乱闘スマッシュブラザーズ』の桜井政博は、2023年に自身のYouTubeチャンネルでファミリーベーシックを取り上げ、ゲーム作りに入るきっかけになったと語っている。
発売から40年近くたっても出番はある。2021年のゲーム早解きイベント「RTA in Japan Winter 2021」では、ファミリーベーシックが『ドラゴンクエストIII』に任意のプログラムを送り込む手段として使われた。
『ファミリーベーシック』はいま遊べる?(Switch Online・中古相場)
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『ファミリーベーシック』の都市伝説・噂(裏取りなし枠)
情報元・参考資料
- Wikipedia『ファミリーベーシック』
- ゲームカタログ@Wiki『ファミリーベーシック』
- ピコピコ大百科『ファミリーベーシック』
- Wikipedia英語版『Family BASIC』
- Siliconera『Masahiro Sakurai Shows How to Make Games in Family BASIC』
- The Mushroom Kingdom『Family BASIC v2.0a/2.1a』
調べるときに参照したページ
- Wikipedia日本語版「ファミリーベーシック」
- 英語版Wikipedia「Family BASIC」
- Siliconera『Masahiro Sakurai Shows How to Make Games in Family BASIC』
- The Mushroom Kingdom『TMK | Family BASIC v2.0a/2.1a』
