107本目
タッグチーム プロレスリング
1986年4月2日・ファミコン|開発秘話・当時の小ネタ全部載せ
600本だけ配られた、雑誌でも買えないタッグチーム プロレスリング。
編集部でも手に入らなかった――そのカセット、いま日本に何本残ってる?
🎮 タッグチーム プロレスリング(1986年4月2日 / ファミコン) を覚えてる?
目次
『タッグチーム プロレスリング』とは? 発売日・スペック早見
| 発売日 | 1986年4月2日 |
|---|---|
| 機種 | ファミコン |
| 発売元 | ナムコ |
『タッグチーム プロレスリング』の開発秘話——真相はこうだった
1986年4月2日、ナムコット(ナムコ)から発売されたファミコン初期の本格タッグ対戦プロレス。リッキーファイターズ vs ストロングバッズ、2対2の場外乱闘まで含めて、友達の家に集まって遊んだ人も多いはず。
「スペシャル版」って、ほんとにあったの?
あったんです。通常版とは別に“中身の違うスペシャル版”が実在しました。おもちゃ屋さんで配られた「NAMCOT NEWS 号外」の応募券か、ソフトに同梱されたアンケートハガキで応募し、1986年4月〜6月の毎月200名・計600名だけに配られた抽選プレゼント。タイトル画面の年号・BGM・グラフィック・技のかけ方などが通常版と違う、と言われています。当時のゲーム雑誌の編集部でさえ入手できず、ナムコの抽選プレゼント(キャンペーン配布のスペシャル版)は、後にも先にもこの1本きり。600本しか世に出ていない“幻のカセット”です。
遊びの記憶
・つかみ合ってから技を選ぶ独特の操作。Aボタンのパンチを当てて相手を制御状態にしたら、3秒以内にBボタンで技を選び、もう一度Aボタンで発動する。3秒以内に決めないと制御状態は解ける。 ・ロープ近くで技が決まると場外乱闘になる。20カウント以内にリングへ戻れなければリングアウト負けで、両者とも戻れなければ引き分け(ゲームオーバー)。 ・「イテー!」「ギブアップ!」といった擬声音の演出がある。 ・2P側コントローラーのA・Bボタンを押しながらマイクに向かって叫ぶと、味方がハリセンを持って登場し、相手のフォールを妨害する。
ルーツ
アーケードの『ザ・ビッグプロレスリング』(1983年・世界初のプロレスゲームと言われる)が源流。そこから海外アーケードの『エキサイティングアワー』、家庭用では『キン肉マン マッスルタッグマッチ』などプロレスゲームの系譜が広がり、本作は“世界初の一本”の流れを家のテレビに持ち込んだ1本にあたります。原作にあたるタイトルは2026年に現行機で復刻され、権利は現在アークシステムワークスが管理しています。
そして、この号いちばんの“へぇ”
海外NES版では、敵チームの名前が「The Strong Bads(ストロングバッズ)」と表記されていました。実はこの“Strong Bad”という名前、のちにアメリカで大人気になったFlashアニメシリーズのキャラクターStrong Badの名前の由来になっています。作者のチャップマン兄弟が少年時代に遊んだこのゲームの敵チーム名から名前を、プレイヤー側ファイターのマスク姿から見た目を取った、と本人たちが語っています。1986年のファミコンソフトの敵チームが、まさか海外ネットカルチャーのアイコンになるとは、当時だれも思わなかったはず。
『タッグチーム プロレスリング』はどんなゲーム? ルールと遊び方
リングを斜め上から見下ろす形のタッグマッチだ。まずAボタンのパンチで相手を捕まえて組み合った状態にし、そこから3秒以内にBボタンで出す技を選んで、もう一度Aボタンで繰り出す。3秒のうちにAを押せなければ組み合いはほどけてしまう。技の選択にもたつくと、せっかくのチャンスが消える仕組みだ。
勝ち方は3つある。相手の体力を数ドット以下まで削ってフォールし3カウントを取るか、バックブリーカーやネックハンギング、サソリ固めでギブアップを奪うか、場外で20カウントのリングアウトを取るかだ。両者リングアウトや時間切れの引き分けは、そのままゲームオーバーになる。
疲れた選手はパートナーと交代して休ませれば、体力がある程度戻る。ロープ際で技が決まると場外乱闘になり、鉄柱にぶつけたりゴングで殴ったりといった反則攻撃も使える。1人用は全35回戦の勝ち抜き形式で、勝ち星に応じてチャンピオンの称号が上がっていく。2人で対戦することもできる。
登場する4人のレスラーと必殺技
プレイヤー側のリッキーファイターズは、サソリ固めを得意とするリッキーと、ブレーンバスターを得意とするウルトラマシーンの2人組だ。敵のストロングバッズは、延髄斬りのマスクロスと、ウェスタン・ラリアットのウォーリーで組んでいる。
4人それぞれの得意技は、相手チームの特定の1人にしか効かないとされる。誰に何を仕掛けるかを考えずに大技を狙っても決まらないので、相手を見て技を選ぶことが勝負の分かれ目になる。
ちなみに抽選で600名に配られたスペシャル版では、2コントローラーのマイクに向かって叫ぶと味方がハリセンを持って現れ、相手のフォールを邪魔してくれる。音楽や技のかけ方だけでなく、こうした仕掛けまで通常版とは違っていた。
アーケード版『ザ・ビッグプロレスリング』との違い
原作は1983年12月に稼働したアーケード版で、開発はテクノスジャパン、発売はデータイーストだった。プレイヤーはサニーとテリーのジェミニブラザーズを使い、ブラッディ・マスクとマッド・ブル・ジャイアントの組と戦う。1984年1月には、業界誌『ゲームマシン』でテーブル筐体の新作として最も稼いだ作品に挙げられている。
アーケード版の技は、「ATTACK」の表示が出ているあいだに左ボタンを押した回数で決まり、ヘッドロックからコブラツイストまで12種類あった。2人プレイも対戦ではなく、2人でサニーとテリーを分担する協力型だった。ファミコン版はチームと選手を一新し、技の選び方を変え、2人対戦も遊べる形に作り替えている。
アーケード版では試合に勝つたびにトロフィーが増え、10試合目を勝ち抜くと世界チャンピオンになる。負けや引き分けはその場でゲーム終了で、コンティニューも無かった。ファミコン版は勝ち抜きを35回戦まで増やしている。
ファミコン版はナムコット ファミリーコンピュータゲームシリーズの第13弾にあたる。グラフィックとサウンドをデータイースト、プログラムを酒田SASが担当した。北米では1986年10月にデータイーストが発売し、同社にとって初めてのNES用ソフトになった。
『タッグチーム プロレスリング』はいま遊べる?(Switch Online・中古相場)
FC版そのものを手軽に遊ぶ公式手段は、いまのところ限られています。
- Nintendo Switch Online=配信なし
- アーケードアーカイブス=あり(ただし配信されているのはアーケードの『ザ・ビッグ・プロレスリング』=FC版そのものではありません)
- クラシックミニ ファミコン=未収録
情報元・参考資料
- YouTube各解説動画
- 当時誌『マル勝ファミコン』1986年3号ほか
- Wikipedia・Homestar Runner Wiki
- Wikipedia『ザ・ビッグプロレスリング』
- Wikipedia英語版『Tag Team Wrestling』
調べるときに参照したページ
